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ローリングストック、始めてみたけど続かない。
気づいたら、賞味期限が切れていた。
そんな経験はありませんか。
実は、これは意志が弱いからではありません。
管理のやり方が、複雑すぎるのが原因です。
この記事では、記録に頼らず続ける方法をお伝えします。
消防士として10年勤務(救急・警防・救助)。
現在は3児(小3・小1・年長)を育てる沖縄のパパ。
現場で見てきた経験をもとに
家庭でできる防災を発信しています。
結論:記録はやめても、点検は残す
先に結論をお伝えします。
続けるコツは、記録をやめて、点検だけを残すことです。
正確に言うと、記録しなくても回る仕組みを作ります。
理由は、記録する作業そのものが挫折の原因だからです。
賞味期限をノートに書く。アプリに入力する。
最初はできても、たいてい数か月で止まります。
だから、モノの置き方だけで管理する方法に切り替えます。
これなら、書く作業がゼロになります。
ただし、点検までやめてはいけません。
置き方だけでは管理できないものがあるからです。
- 記録に頼る管理は続かない
- 置き場所を固定し、古いものを手前に置くだけでいい
- 買い物のたびに、使った分を買い足す
- それでも年1回の一斉点検は必ず行う
記録は減らせますが、点検はやめないでください。カセットボンベや薬など、置き方だけでは管理できないものがあります。
そもそもローリングストックとは
念のため、言葉の意味を確認しておきます。
普段食べるものを多めに買い、古いものから食べる方法です。
食べた分だけ買い足せば、備蓄が自然に入れ替わります。
従来の「非常食を別に用意する」やり方とは違います。
いつも食べているものを、非常時にも食べる。
そう発想を変えたのが、この方法の特徴です。
わが家も以前は「防災用」として別に保管していました。
でも結局、期限を切らしてしまうのです。
今は普段の食品を多めに置くだけにしています。
特別なことをやめたら、かえって続くようになりました。
続かない理由1:管理が複雑すぎる
では、なぜ続かないのでしょうか。
1つ目の理由は、管理が複雑すぎることです。
賞味期限をノートやアプリに記録する。
この作業が、思った以上に負担になります。
買い物のたびに入力するのは、現実的ではありません。
特に子育て中は、そんな時間も気力もない日があります。
わが家も3人の子どもがいるので、よく分かります。
夕方は戦場です。とても入力どころではありません。
だから、記録を前提にした仕組みは避けましょう。
続かない理由2:置き場所がバラバラ
2つ目の理由は、置き場所が決まっていないことです。
パントリーに少し、押し入れに少し、車のトランクにも少し。
こうなると、何がどこにあるか分からなくなります。
分からないから、確認もしなくなります。
そして気づいたときには、期限が切れています。
逆に言えば、場所さえ固定すれば管理はぐっと楽になります。
見るべき場所が1か所になるからです。
続かない理由3:買いすぎている
3つ目は、意外に見落とされる理由です。
最初に張り切って、買いすぎるパターンです。
普段食べないものを大量に買うと、消費が追いつきません。
結果として、期限切れの山ができます。
大切なのは「普段食べるもの」を選ぶことです。
家族が好きなものでなければ、ローリングは回りません。
わが家の定番は、カップ麺とレトルトカレーです。
子どもたちが好きなので、余っても普段の食事で消費できます。
逆に、いかにも防災食という味のものは、なかなか減りませんでした。
好みは正直だと思い知りました。
対策1:置き場所を固定し、古いものを手前に
ここからが、具体的な対策です。
最も効果があるのは、置き場所を1か所に固定することです。
そして、新しいものを奥、古いものを手前に置きます。
これだけで、自然と古いものから使うようになります。
いわゆる「先入れ先出し」という考え方です。
スーパーの棚も、同じ仕組みになっていますよね。
奥から新しい商品が補充されるのは、このためです。
この方法の良いところは、記録が不要なことです。
手前から取る、という行動だけで管理が完結します。
- 備蓄の置き場所を1か所に決める
- 買ってきたものは、必ず奥に入れる
- 使うときは、必ず手前から取る
たったこれだけです。書く作業はありません。家族全員がこのルールを知っていれば、さらに回りやすくなります。
【正直な話】賃貸だと、その1か所が難しい
ここまで書いておいて、正直にお伝えします。
わが家は、この置き場所の確保がうまくできていません。
理由は単純で、賃貸アパートで5人家族だからです。
備蓄をまとめて置ける場所が、そもそも足りません。
水だけでも1週間分なら100リットルを超えます。
食料も加えると、押し入れがひとつ埋まる量です。
「置き場所を1か所に」と書きましたが、現実は簡単ではありません。
同じ悩みを持つ方も、多いのではないでしょうか。
では、どうすればいいのでしょうか。
一般的に有効とされている工夫を、3つ挙げます。
1つ目は、無理にまとめず、用途で分けることです。
キッチンには普段使う食品、寝室には水と明かり。
玄関には、持ち出すものをまとめておきます。
場所は分かれても、用途が決まっていれば迷いません。
2つ目は、縦の空間を使うことです。
賃貸は床面積が限られますが、高さは余っていることがあります。
押し入れの上段や、家具の上のすき間です。
3つ目は、奥のデッドスペースを引き出せるようにすることです。
押し入れやシンク下は、奥が使いにくい場所です。
キャスター付きの箱に入れれば、引き出して使えます。
高い場所に置くときは、重いものを避けてください。
地震のときに落ちてくると危険です。
水のような重いものは、必ず下の段に置きましょう。
また沖縄では、ベランダや車のトランクでの保管に注意してください。
食品は高温で品質が落ちます。乾電池は液漏れの原因になります。
モバイルバッテリーは高温を避け、発熱や膨らみがあれば使わないでください。
カセットボンベは、高温になる場所に置くと爆発の危険があります。
このブログは、私自身が勉強しながら書いています。
消防士として知識はあっても、賃貸で5人分の備蓄を収める方法は、まだ模索中です。
うまい方法が見つかったら、この記事に追記していきます。
同じように悩んでいる方と、一緒に考えられたら嬉しいです。
対策2:家族に「奥に入れて」と伝えておく
置き方のルールは、家族で共有しましょう。
自分だけが知っていても、崩れてしまうからです。
伝えるのは一言でいいと思います。
「買ってきたものは奥に入れてね」
これだけで、仕組みが家族で回り始めます。
難しい説明も、防災の講義もいりません。
防災の知識を家族に伝えるのは、身構えると難しいものです。
でも「奥に入れてね」くらいなら、自然に伝わります。
子どもでも理解できます。
わが家では、そういう小さなルールのほうが長続きしています。
対策3:どうしても記録したい人は、道具に頼る
とはいえ、記録があると安心という方もいます。
その場合は、負担の少ない方法を選びましょう。
たとえば、スマホのリマインダー機能です。
期限が近い数点だけ登録すれば、十分機能します。
全部を登録しようとすると、また挫折します。
賞味期限の管理に特化したアプリも存在します。
ただし、アプリは配信が終了することもあります。
対応するスマホの種類が限られる場合もあります。
使うなら、最新の情報を確認してから選んでください。
道具を増やすほど、管理は複雑になります。
まずは置き方のルールだけで試してみてください。
それで回るなら、アプリは必要ありません。
仕組みはシンプルなほど、長く続きます。
食品以外にも、ローリングは必要です
ここで、見落とされがちな話をお伝えします。
ローリングストックの対象は、食品だけではありません。
特に注意したいのが、カセットボンベです。
実は、カセットボンベには寿命があります。
日本ガス石油機器工業会は、目安を示しています。
製造年月日から約7年以内に使い切ることを勧めています。
製造年月日は、缶の底に数字で印字されています。
こんろ本体も、製造後およそ10年で買い替えの検討時期です。
理由は、ガス漏れを防ぐゴム部品が劣化するためです。
使っていなくても、この劣化は進んでいきます。
そして興味深いのは、同工業会の呼びかけです。
東日本大震災のとき、こんな声が寄せられたそうです。
「期限が切れていて使えなかった」
そのため、ボンベもローリングストックが勧められています。
普段の料理で使い、使った分を買い足す。食品と同じ考え方です。
食品以外にも、期限や劣化があるものがあります。
カセットボンベとこんろ本体、乾電池、モバイルバッテリー、常用薬などです。
これらは置き方だけでは管理できません。
年1回の点検で、まとめて確認しましょう。
消防士として、ガス器具の事故は身近な話題でした。
「まだ使えるだろう」という判断が、事故につながることがあります。
カセットボンベは安価なものです。
迷ったら買い替える。それが一番安全な選択だと思います。
対策4:年1回の一斉点検を、行事にする
最後に、いちばん確実な方法をお伝えします。
備えは、2つの層で考えると回りやすくなります。
日常の層は、買い物のたびに使った分を買い足すこと。
これは置き方のルールがあれば、自然にできます。
もう一つが、年に1回の一斉点検です。
おすすめは、9月1日の防災の日です。
日付が決まっていると、忘れにくくなります。
この日に、期限が近いものを手前に出す。
足りないものを買い足す。それだけで十分です。
子どもの成長に合わせて、量を見直すのもこの日です。
先ほど挙げた、食品以外のものもここで確認します。
点検の項目は、別の記事にチェックリストをまとめています。
印刷して使えるので、よければ活用してください。
消防士時代、防災週間には訓練や広報活動がありました。
そこで毎年感じたのは「点検の習慣がある家庭は強い」ということです。
備えは一度そろえて終わりではありません。
年1回でも見直す日があると、生きた備えになります。
「届く仕組み」にすると、さらに楽になります
もう一歩進んだ方法もお伝えします。
水など重いものは、届く仕組みにすると管理が楽になります。
定期的に届けば、買い忘れがなくなるからです。
自分が動けない日でも、備蓄が途切れません。
水の備え方は、別の記事で詳しく解説しています。
まとめ:仕組みにすれば、意志はいらない
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 続かない原因は意志ではなく、管理の複雑さ
- 置き場所を1か所に固定する(難しければ用途で分ける)
- 新しいものを奥、古いものを手前に
- 家族に「奥に入れてね」と共有する
- 買い物のたびに、使った分を買い足す
- 年1回、防災の日に一斉点検する(食品以外も)
記録は減らせますが、点検はやめないでください。
備えの差を生むのは、意識の高さではないと思っています。
気づいたら備わっている仕組みがあるかどうかです。
意志の力に頼る備えは、いつか途切れてしまいます。
わが家も完璧ではありません。
それでも、置き方のルールだけは守るようにしています。
まずは置き場所を決めるところから、始めてみてください。


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