子どもの誤飲、吐かせてはダメ?元消防士の3児パパが教える予防と対処

誤飲のアイキャッチ 育児・家族
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子どもが何かを口に入れて、ヒヤッとした経験はありませんか。
わが家も3人を育てる中で、何度も肝を冷やしてきました。

東京消防庁のデータに、驚く数字があります。
5年間で、5歳以下の子ども5,153人が窒息や誤飲で救急搬送されました。
しかも、事故の9割以上は住まいの中で起きています。

さらに多いのは、17時台から21時台という時間帯です。
夕食の準備で、親が一番バタバタしている時間ですね。
つまり誤飲は、家の中の「置き場所」を変えることで防げるのです。

この記事では、元消防士で3児の父の私が、誤飲の予防と対処をまとめます。
万一飲み込んだときの「正しい対応」も、公的情報をもとにお伝えします。

この記事を書いた人:元消防士のたるぅ〜
消防士として10年勤務(救急・警防・救助)。
現在は3児(小3・小1・年長)を育てる沖縄のパパ。
現場で見てきた経験をもとに
家庭でできる防災を発信しています。

誤飲は「トイレットペーパーの芯」で防げる

まず、今日すぐできる予防法をお伝えします。
トイレットペーパーの芯を、家の中の点検に使う方法です。

やり方は簡単です。芯を通るものは、子どもが飲み込む危険があります。
なぜ芯なのか。ここには、きちんとした根拠があります。

実はこれ、東京消防庁が公式に推奨している目安です。
「トイレットペーパーの芯を通る物は危険です」と明記されています。

3歳の子どもが口を開けたときの大きさは、直径およそ4cmです。
東京都は、この大きさを39mmという数字で示しています。
どちらもトイレットペーパーの芯と、ほぼ同じ大きさです。

つまり芯を通るものは、子どもの口にも入ってしまうのです。

では、危ないものはどこに置けばいいのでしょうか。
こども家庭庁は「手の届かない、見えないところ」と説明しています。

ここで、大切な注意点があります。
「高い場所なら安心」とは限らない、ということです。

消費者庁には、こんな事例が報告されています。
床から1mの引き出しの薬を、子どもが台を足場にして取り出しました。
その子は急性薬物中毒で、約1週間の入院になっています。

つまり、子どもは踏み台を使ってでも手を伸ばすのです。
高さだけに頼らず、フタつきの容器や鍵つきの場所を選びましょう。

気をつけたいのは、子どもの成長スピードです。
生後5〜6か月を過ぎると、何でも口に入れるようになります。
昨日は手が届かなかった場所に、今日は届くようになります。

現場の声
わが家では、時々こうします。
床に寝そべって、子どもの目線で部屋を見回すのです。
大人の視点では気づかないものが、驚くほど目に入ります。
落ちているシール、おもちゃの小さな部品。
「これは芯を通るかな?」と考える習慣が、一番の予防になりました。

特に危険な3つ「ボタン電池・磁石・たばこ」

数ある誤飲の中でも、特に警戒すべきものがあります。
ボタン電池・磁石・たばこの3つです。
この3つは別格なので、最優先で子どもから遠ざけてください。

まず、ボタン電池です。
飲み込むと、電流で体の内側が傷つくことがあります。
短い時間で、食道に穴が開いた事例もあると報告されています。
特にコイン型のリチウム電池は、危険性が高いとされています。

消費者庁の案内は明確です。何も飲ませず、吐かせず、至急病院へ、です。

予防のポイントもあります。
おもちゃの電池ボックスのフタやネジは、しっかり閉めましょう。
使用済みの電池は、プラス極とマイナス極にテープを貼ります。
保管は、鍵のかかる引き出しが安心です。

そして東京消防庁が強く注意しているのが「ちょい置き」です。
電池交換のとき、ほんの少しの間だけ置く。これが危険なのです。
子どもの見えるところで電池交換をしない、と決めてしまいましょう。

次に、磁石です。
強力な磁石を2個以上飲むと、体内で腸をはさむ危険があります。
上の子のマグネットのおもちゃには、特に注意が必要です。

最後に、たばこです。
子どもの誤飲事故の中で、たばこは代表的なものです。
特に危険なのが、灰皿代わりの空き缶にたまった水です。
水に溶けたニコチンは、体に吸収されやすくなります。

もうひとつ、意外な危険物も知っておいてください。
水を吸ってふくらむ「吸水ボール」などの高吸水性樹脂です。
体の中でふくらみ、腸閉塞を起こすことがあると報告されています

現場の声
消防士として救急の現場にいた頃、子どもの誤飲による出動もありました。
共通していたのは、保護者の「ほんの少し目を離したすきに」という言葉です。
誰にでも起こりうるからこそ、「置かない・しまう」の徹底が効くのだと痛感しています。

食べ物の誤嚥にも注意「5歳まで豆・ナッツはNG」

誤飲と並んで気をつけたいのが、食べ物の事故です。
結論から言うと、硬い豆やナッツは5歳以下に食べさせないでください。
これは消費者庁も、くり返し呼びかけている注意です。

理由は、子どもの噛む力と飲み込む力が未発達だからです。
奥歯が生えそろう前は、豆を上手に処理できません。
のどに詰まらせたり、かけらが気管に入る危険があります。

豆やナッツのほかにも、注意したい食べ物があります。
あめ玉、こんにゃくゼリー、スーパーボール大の食品などです。

そして、食べ方にも気をつけましょう。
食べながら歩く、笑う、泣く。これらは、吸い込む事故につながります。

注意
節分の豆まきは、特に注意が必要な行事です。
個包装された豆を使い、豆まきの後は徹底して片付けましょう。
5歳以下の子どもが、落ちた豆を拾って口に入れないようにすることが大切です。
現場の声
わが家は年長の子がいるので、豆まきは毎年ヒヤヒヤします。
今は個包装の豆を使い、まいた後の一粒残らずの片付けを家族のルールにしました。
行事は楽しみたい。でも、安全とのバランスを取る工夫は必要だと感じています。

もし飲み込んだら「無理に吐かせない」が新常識

ここからは、万一のときの対処です。
一番大切な原則をお伝えします。
今は、多くの誤飲で「家庭で無理に吐かせない」のが基本です。

以前は「吐かせる」と言われた時代もありました。
しかし今は、考え方が変わっています。

理由は、吐くことで食道や気道を傷つける危険があるからです。
特に灯油やマニキュアの除光液などは、絶対に吐かせてはいけません。
吐いた際に、揮発性のガスを吸い込むと、肺を痛める危険があります。

では、どうすればいいのでしょうか。
まず落ち着いて、「何を・どのくらい・いつ」飲んだか確認します。
そして、速やかに医療機関を受診してください。

このとき、飲んだ物と同じ物があれば、持って行きましょう。
医師が中身を確認できると、対処がスムーズになります。

ただし、ここで絶対に混同してはいけないことがあります。
「誤飲」と「窒息」では、対応が真逆になるのです。

【誤飲と窒息のちがい】
飲み込んで胃に入った「誤飲」は、無理に吐かせず受診します。
一方、のどに詰まって息ができない「窒息」は、背中をたたくなどして異物を取り除く応急手当が必要です。
意識や呼吸がない場合は、直ちに119番通報してください。
手当の具体的な方法は、年齢によって異なります。
東京消防庁が動画を公開していますが、消防署の救命講習で実際に体を動かして習っておくのが最も確実です。
【吐かせてはいけない主なもの】
灯油・ガソリン・シンナー・マニキュアの除光液などの揮発性のもの。
トイレ用洗剤などの強い酸性・アルカリ性のもの。
そしてボタン電池です。
これらは吐かせず、何も飲ませず、すぐに医療機関を受診してください。
判断に迷うときは、次に紹介する中毒110番に相談しましょう。

迷ったらすぐ相談「中毒110番」と「119番」

最後に、困ったときの連絡先をまとめます。
判断に迷ったら、自己判断せず、プロに相談するのが一番です。

まず知ってほしいのが「中毒110番」です。
飲み込んだときの対処を、無料で相談できる専門の窓口です。

  • 大阪中毒110番:072-727-2499(365日24時間)
  • つくば中毒110番:029-852-9999(365日9〜21時)
  • たばこ専用電話:072-726-9922(365日24時間・自動音声)

夜間や休日に子どもの症状で困ったときは、別の窓口もあります。
小児科医などに相談できる「#8000」です。

そして、次のような様子が見られたら、ためらわず119番です。
意識がぼんやりする、けいれん、呼吸が苦しそう、ぐったりしている。
くり返し吐く、といった場合も、すぐに救急車を呼んでください。

ここがポイント
中毒110番と#8000の番号は、今すぐスマホに登録しておきましょう。
冷蔵庫に貼っておくのもおすすめです。
いざというとき、焦って番号を探す時間をなくせます。
この「事前のひと手間」が、落ち着いた対応につながります。

まとめ:誤飲対策は「予防が9割」

最後に、この記事のポイントをまとめます。

【子どもの誤飲対策・まとめ】

  1. 芯を通るもの(約4cm)は手の届かない・見えない場所へ
  2. 高さだけでは不十分。踏み台で登る前提でフタや鍵を
  3. ボタン電池・磁石・たばこ・吸水ボールは別格
  4. 硬い豆・ナッツは5歳以下に食べさせない
  5. 誤飲は吐かせず受診(同じ物を持参)/窒息は異物除去の手当と119番
  6. 迷ったら中毒110番、危険な症状は119番

誤飲対策は、なんといっても予防が9割です。
そして予防は、特別な道具がなくても今日から始められます。

わが家も完璧ではありませんが、点検を習慣にしています。

元消防士の私がこのブログで防災を発信している理由は、運営者紹介でお話ししています。

家庭の防災という点では、防災の日の点検ともつながる話です。
家全体の備えの見直しは、こちらの記事も参考にしてください。

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